外国人採用ではアジアなどが注目されがちですが、現在カナダ人雇用も注目されています。
本記事ではカナダ人雇用について、メリットや注意点、採用の具体的な流れを紹介します。
1. 日本でカナダ人を雇用するための在留資格
日本でカナダ人を雇用するためには在留資格が必要です。
主に使われる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。技術、人文知識、国際業務の3つに分かれており、それぞれの分野で仕事内容が異なります。
技術・人文知識・国際業務を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 学歴要件を満たしている
- 専攻科目と職務内容に関連性がある
- 企業の経営状態が良好である
- 日本人と同等かそれ以上の給与水準である
2. カナダについて
カナダ人雇用を考える上で大切なカナダの基本情報を以下の観点から解説します。
- カナダの平均賃金
- カナダの主要産業
- 日本とカナダの関係
(1) カナダの平均賃金
カナダの平均賃金は約60万円で、平均生活費は2〜6万円です。
日本の平均賃金は31万8,300円※で、平均生活費は16万円です。
※参考:厚生労働省
カナダは日本の平均賃金の約2倍で、カナダの物価が日本より若干高いことを考慮しても、給与水準が高いことがわかります。
(2) カナダの主要産業
カナダの主要産業は以下の通りです。
- 金融・保険・不動産
- 製造業
- 建設業
- 鉱業
- 農林業
※参考:外務省
カナダは広大な国土を持ち、天然資源や観光資源にも恵まれています。
(3) 日本とカナダの関係
日本とカナダはインド太平洋地域におけるパートナーであり、またG7のメンバーとして密接な協力関係にあります。貿易では相互補完的な関係を保っており、日本はカナダから原材料や農産品を輸入し、日本からカナダへは自動車や機械などの製造業品を輸出しています。
また、現在カナダでは日本の無印良品が進出したり、日本のアニメや漫画が人気であったり、文化的な面でもつながりがあります。
3. カナダ人雇用のメリット
カナダ人雇用のメリットは以下の通りです。
- 穏やかで優しい
- 人種差別が少ない
- よく謝る
- 真面目
(1) 穏やかで優しい
カナダ人は穏やかで優しい人が多く、めったに怒りません。
誰かが困っていたり、迷っていたりすると、すぐに手を差し伸べる優しさもあります。
穏やかで優しいカナダ人を採用できれば、対人でのトラブルが起きにくく、スムーズにチームワークを築けるでしょう。
(2) 人種差別が少ない
世界では未だに人種差別が行われていますが、カナダ人は人権を尊重するため、人種差別がほとんどありません。カナダは多文化・多民族・多言語の社会であることが大きく影響しています。また、男尊女卑という考え方も無く、男女平等の考え方が浸透しています。
カナダ人を雇用すれば、人種差別なども起きにくいでしょう。
(3) よく謝る
カナダ人はよく謝罪をする人種です。
日本人もよく謝罪をしますが、それ以上と言われています。
カナダ人は相手に不快感を与えないようにしたり、物事をスムーズに進めたりするために、反射的に謝罪を行います。気遣いの表れと言えるでしょう。
カナダには謝罪という日本に通ずる文化があるため、円滑にコミュニケーションを進められます。
(4) 真面目
カナダ人は真面目でマナーやルールを守ります。
時間にルーズであったり不真面目なイメージを持たれやすい外国人ですが、カナダ人は少し異なります。カナダ人は真面目に仕事に取り組む姿勢が評価される日本と相性が良いと言えるでしょう。
4. カナダ人雇用の注意点
カナダ人雇用の注意点は以下の通りです。
- 多種多様な民族・人種がいる
- 基本的に残業をしない
- 5分前行動の文化が無い
カナダ人雇用で失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。
(1) 多種多様な民族・人種がいる
カナダ人には多種多様な民族・人種が混在しているため、それぞれにマナーや文化があります。カナダ人だからと言って一括りにすることは、トラブルの原因です。あらかじめ習慣や祝祭日などを確認し、社内で共有することで、トラブルを未然に防ぎましょう。
(2) 基本的に残業をしない
カナダ人は基本的に残業をせず、家族や恋人と過ごすプライベートな時間を最優先します。
万が一残業などが発生する場合は、事前に説明しておくことが重要です。
(3) 5分前行動の文化が無い
カナダには5分前行動の文化が無く、オンタイムでの行動が基本です。
時間よりも早く行動することは、相手に気を使わせてしまうという考え方があります。
5分前行動は日本独自のマナーなので、事前に伝えておきましょう。
5. カナダ人雇用の流れ
カナダ人雇用の流れを現地にいるカナダ人を雇用する流れと日本にいるカナダ人を雇用する流れに分けて解説します。
(1) 現地にいるカナダ人を雇用する流れ
現地にいるカナダ人を雇用する流れは以下の通りです。
- 募集
- 書類選考・面接
- 内定
- 雇用契約
- 在留資格認定証明書の申請・交付
- ビザの申請・発給
- 入国
- 就労開始
(2) 日本にいるカナダ人を雇用する流れ
日本にいるカナダ人を雇用する流れは以下の通りです。
- 募集
- 書類選考・面接
- 内定
- 雇用契約
- 在留資格変更許可申請
- 就労開始