外国人が携帯電話契約をする場合、日本の契約方法と海外との違いに戸惑うケースがあります。
外国人材の採用を検討しているのであれば、仕事を円滑に進めるためにも携帯電話の契約についてもサポートが必要です。
本記事では、外国人が日本で携帯電話契約をするのが難しい理由と解決策、必要書類、外国人専門サービスについて紹介します。
1. 外国人が日本で携帯電話契約するのは難しい|海外との違いに注意
日本で生活を始める外国人にとって、携帯電話の契約は最初にぶつかる壁のひとつです。
日本と海外では携帯電話の契約システムや文化が大きく異なるため、スムーズに契約を進めるためにも事前に情報を収集し、準備をしておく必要があるでしょう。
ここでは、日本での携帯電話契約が外国人にとって難しい理由と解決策について紹介します。
①スマホと回線のセット契約は海外では一般的ではない
日本の携帯キャリアでは、スマホ本体とモバイル回線をセットで契約する方法が根強く残っています。
最近ではSIMフリー端末を購入し、格安SIMで回線契約をするという人も増えているものの、通信会社で端末と回線をセット契約する人も多いのではないでしょうか。
一方で、海外ではスマホ本体を別途購入し、回線契約のみを行うスタイルが主流です。
初めて日本の契約形態に触れる外国人にとっては、仕組みが感覚的にわからず、戸惑いを感じるケースがあります。
また、日本で販売されているスマホは、特定のキャリアの回線に最適化されている場合がある点にも注意が必要です。海外で購入したスマホにSIMカードを挿入しても、正常に動作しない場合があります。
所有している機種によっては、日本でスマホを新しく購入しなければなりません。
企業担当者は外国人労働者に対し、日本に多いモバイル回線の契約の仕組みを説明しておく必要があるでしょう。
②外国語に対応していない窓口も多い
日本の携帯電話キャリア・通信サービスの窓口は、基本的に日本語対応が中心です。
英語での対応が可能な窓口もありますが、全ての店舗が多言語対応であるわけではありません。
特に日本語に自信がない外国人にとって、スタッフの説明がわかりにくく、契約手続きが非常に難しく感じる可能性があります。
契約内容の説明や書類の記入など、理解できないまま手続きを進めてしまうと、不必要なオプションが付帯し、トラブルに発展しかねません。
契約時には、企業担当者が同席したり通訳サービスを利用したりするなど、外国人労働者の不利益にならないようサポートする必要があるでしょう。
③審査基準に通らない可能性がある
日本の携帯電話契約では、契約者の支払い能力を確認するための審査があります。
クレジットカードの利用履歴や在留期間の長さなどが審査対象となるため、特に短期滞在者は審査に通らない可能性があるので注意が必要です。
契約時に必要な本人確認書類(在留カード・パスポートなど)の有効期限が切れていたり、記載内容に誤りがあったりする場合も、審査に通らない原因となります。
契約手続きを行う前に、必要な書類が揃っているか、記載内容に誤りがないか、必ず確認しましょう。
④携帯電話の契約時には企業担当者のサポートが必要
企業で働く外国人労働者の場合、携帯電話の契約は会社を通して行ったほうがスムーズに手続きができるケースが多くあります。
契約手続きに必要な書類の準備や適切なプランの選択、契約後のサポートまで、外国人労働者をサポートする担当者を決めておくとよいでしょう。
企業によっては、特定のキャリアと法人契約を結んでいる場合もあり、個人の契約よりも優遇された条件で契約できる場合もあります。
在留期間が短いため審査に通らないという場合も、企業を通せば契約が可能です。
言語の壁による契約トラブルも防げるので、外国人労働者の採用を検討しているなら、モバイル回線の法人契約も検討しましょう。
2. 契約時に準備が必要な書類
日本で携帯電話を契約する際、次の書類が必要となるケースがほとんどです。
ただし、携帯会社キャリアや格安SIMサービスにより詳細は異なるので、契約を検討している通信サービスにて、事前に必要書類を確認しておきましょう。
- 在留カード
- パスポート
- 銀行口座やクレジットカード情報
- 住民票(場合によって必要)など
契約前の準備として、データ容量やオプション、月額料金などを含むサービス内容の確認も必要です。
困ったときのために、外国語対応のチャットや電話窓口があるサービスのほうが、万が一のトラブル時にも対応しやすいでしょう。
3. 外国人におすすめの通信サービス|外国人専門の携帯電話サービスも検討しよう
外国人が携帯電話会社を選ぶ際、滞在期間によって適切なサービスが異なります。
ここでは短期滞在・長期滞在別におすすめのサービスと、外国人専用の携帯電話サービスを紹介します。
①短期滞在ならプリペイドスマホがおすすめ
外国人が日本で携帯電話を契約する際、ニーズに応じて選べる通信サービスがいくつかあります。滞在期間や使用用途に応じた選択肢を検討しましょう。
日本での滞在期間が短い場合は、プリペイドスマホがおすすめです。プリペイドスマホとは、事前に料金を支払うことで、支払った分の期間・容量分のモバイル通信ができるサービスのこと。
審査がなく、必要なときに必要な期間だけ利用できるため、短期滞在者にとって利便性の高いサービスです。
空港や家電量販店などで購入でき、SIMカードを挿入するだけで利用できます。
ただし、通話料やデータ通信料は割高になる場合がある点に注意が必要です。利用状況に合わせて、必要なプランを選ぶようにしましょう。
②長期滞在なら格安SIM・格安プランがおすすめ
長期間滞在する場合は、コストを抑えるために格安SIMの利用を検討しましょう。多くの格安SIM事業者では、契約期間の縛りがないプランや、データ通信量に応じたプランが提供されています。
オンラインでの契約が中心ですが、一部のサービスでは店舗契約も可能です。契約時に審査が必要となる場合がありますが、必要な書類を揃えておけば、比較的スムーズに契約できるでしょう。
また、所有している機種が通信サービスの対象端末であれば、SIMカードのみの購入で回線利用も可能です。
ドコモ・ソフトバンク・KDDIは、英語対応の窓口や公式ページが用意されているため、サポートを重視するなら、大手キャリアもおすすめできます。
しかし、料金プランがやや複雑で選びにくい点はデメリットです。英語対応の電話窓口があり、料金プランがリーズナブルなサービスを探しているなら、楽天モバイルが向いているでしょう。
③外国人専用の携帯電話サービス「GTN MOBILE」もおすすめ
「どの通信サービスを選べばよいかわからない」という場合は、外国人専用の携帯電話サービス「GTN MOBILE」の利用を検討しましょう。
GTN MOBILEは、外国人向けに特化した携帯電話サービスで、日本語に自信がない外国人でも利用しやすい点が特徴です。6言語対応のカスタマーサポートや、外国人向けのプランも用意されています。
日本での生活をサポートし相談できるサービスや、外国人専用のクレジットカード契約、プリペイドスマホの契約なども可能です。
来日前の申し込みやクレジットカードなしでの契約できるなど、通常の携帯電話契約が難しい場合でも利用できる可能性があります。
契約期間の縛りがなく解約手数料もかからないため、緊急帰国時にも手数料の出費を心配する必要がありません。
公式サイトは、日本語を含め8言語に対応しています。まずは公式サイトで詳細を確認してみましょう。
4. まとめ
今回は、日本で外国人が携帯電話を契約する際に必要な書類やサポート、おすすめの通信サービスについて紹介しました。
日本で外国人が携帯電話を契約する場合、海外との仕組みの違いに戸惑う可能性があります。
事前に必要な書類を準備しておけば、スムーズな契約手続きが可能です。
外国人労働者の採用を考えている場合は、契約手続きのサポート体制を整えておくと、契約に関わるトラブルを防ぎやすくなります。
外国人労働者が快適な環境で仕事ができるよう、携帯電話の契約についてもサポートしましょう。