外国人採用のトラブル事例と対策

育成就労制度

外国人採用を考える上でトラブルが心配ではありませんか?

外国人雇用は日本人雇用よりもトラブルが起きやすい傾向にあります。

本記事では外国人採用のトラブル事例と対策を紹介します。外国人採用におけるトラブルを防ぎ、被害を最小限にするためにもぜひ参考にしてください。

1. 外国人採用のトラブル事例と対策

外国人採用のトラブル事例と対策を紹介します。

どんなトラブルがあるのか、どんな対策をすれば良いのか、ぜひチェックしてください。

①コミュニケーション

日本語能力の不足によるコミュニケーショントラブルがあります。

日本語能力が不足していると、業務の指示が通らなかったり、業務の効率が下がったりしてしまいます。原因は主に2つです。

1つめの原因は試験などでは計れない日本語能力がある点です。

外国人の日本語能力を計る指標として日本語能力試験があります。しかし、日本語能力試験は読む力と聞く力を計る試験なので、実際に会話を行ったり書類を書いたりする能力とは異なります。また、基本的な日本語は理解できても、専門的な用語を理解できるとは限りません。

対策としては、面接時に日本語能力を調査するのがおすすめです。

日常的な質問やパーソナルな質問を織り交ぜて、試験ではわからないコミュニケーション能力を計りましょう。

外国人採用における面接についてはこちらをご参照ください。

外国人採用における面接注意点

また、専門的な用語を扱う職種の場合は、単語集などを作るのも良いでしょう。

難しい専門用語を母国語とわかりやすい日本語で解説した単語集を作ることで、外国人はすぐに確認でき、毎回指導する手間も省けます。定期的に日本語の勉強会を開催したり、日本語教師を招いたりして、日本語に触れる機会を増やすのも効果的です。

2つめの原因は文化の違いです。

日本では「空気を読む」や「残業は当たり前」などの文化がありますが、外国にはそのような文化はありません。

対策としては、必要なことはしっかりと伝えることです。

曖昧なコミュニケーションを避けて、YesやNoではっきりと伝えましょう。

②音信不通・失踪

外国人採用者が音信不通・失踪してしまうトラブルもあります。

法務省によると令和5年における技能実習生の失踪者数は9,753人と、これまでで最も多い数となっており、問題視されています。

参考:法務省

原因は賃金、仕事内容、いじめなど様々です。

すぐにできる対策として、まずは出入国在留管理局に連絡しましょう。

出入国在留管理局とは入国及び外国人の在留の公正な管理を図るための組織です。また、トラブルや犯罪に巻き込まれている場合もあるので、警察にも連絡します。連絡後は、出入国管理局や警察の指示に従いましょう。

長期的な対策としては、労働条件や労働環境の見直しが必要です。

外国人に不満がたまるような条件や環境だと音信不通・失踪も起きやすくなります。定期的に外国人採用者にヒアリングを行ったり、積極的にコミュニケーションを取ったりして対策しましょう。そうすることで外国人採用者の問題を早期発見できます。例えば、金銭面で問題を抱えている場合、失踪してしまう前に会社でサポートしたり公的な期間を紹介したりすることもできます。

現在は、技能実習生が失踪したりした場合、企業にペナルティが課されるケースもあるので注意しましょう。

③契約条件

契約条件によるトラブルもあります。

例えば「採用時の給料と実際に支払われた金額が違う」など雇用側に非があるケースがありますが、外国人採用者に非があるケースも。

主な原因は外国人側が契約内容を理解していないことです。理解しているつもりでも、外国人採用者は理解していないケースがあります。また、その場ではわかったと言っていても後から「そんなの知らないよ」と言われるケースもあります。

対策としては契約内容を簡単な日本語や相手の母国語でわかりやすく説明することです。

雇用契約書や雇用条件通知書を外国人採用者の母国語で作成すれば「理解できなかった」「そんなの書いていなかった」というトラブルを避けられます。また、面接時に通訳を用意するのも良いでしょう。

既に訴えられている場合やトラブルが起きた場合は、弁護士に相談するなどして早急に対応しましょう。

④従業員同士のトラブル

従業員同士のトラブルが起こる可能性もあります。

例えば、外国人の度重なる遅刻による喧嘩や謝罪を拒否して口論になるというケースがあります。これは文化の違いが原因です。外国は時間にルーズであったり、「謝罪=負けを認める」という文化があります。また、スキンシップによるトラブル事例もあります。日本では「お疲れ様」「気にしなくて大丈夫」などという意味で肩をトンとすることがありますよね。しかし、それは国によってはパワハラやセクハラと捉えられます。

対策としてはお互いの文化を知る機会を設けるのがよいでしょう。

採用する外国人の国の文化を調べたり、食事会を行いお互いのことをしったりすれば、トラブルも減ります。また、トラブルが起きたときは、両方の言語を喋れる第三者を加入させるのも効果的です。両方の視点を持つ第三者を介入させることで、公平な話し合いができます。

⑤解雇時のトラブル

解雇や退職時はトラブルが起きやすく、訴訟に発展するケースもあります。

例えば、外国人採用者の勤務態度が悪く注意を行ったが改善されず、解雇通告を行ったところ、不当解雇だと主張されたケースがあります。

これは外国人の理解力が原因です。注意を注意として捉えていなかったり、正当な理由もなく解雇されたと思っていたり、様々なケースが考えられます。

対策としては、丁寧な説明が重要です。

相手が外国人ということを頭に入れ、労働条件の説明や注意を行う際は、噛み砕いた日本語で相手が理解するまで説明しましょう。大切な書類を外国人の母国語で作成したり、日本語と外国語を両方話せるスタッフを間に入れるなども効果的です。

また、日々の信頼関係の構築も大切です。普段から頻繁にコミュニケーションを取っていれば、注意などを行っても、不当だとは感じないでしょう。

2. 外国人採用におけるトラブルの対策方法

上記で説明したトラブル事例を元に、幅広いトラブルに共通する対策方法を紹介します。

①普段からコミュニケーションを取る

普段からコミュニケーションを取っていれば、外国人採用者と理解し合えますし、抱えている問題なども早急に発見できます。

例えば、定期的に面談を行うのが良いでしょう。

「最近の仕事はどう?」「私生活は上手くいっている?」などを質問すれば、相手の事を知ることができます。また、人間関係や金銭面で悩んでいる場合は、サポートできるケースもあるでしょう。普段から意識してコミュニケーションを取れば、信頼関係も構築でき、トラブルも減ります。

②求人や雇用契約の内容を明確にする

外国人採用のトラブルには、契約内容や社内ルールを理解していないケースが原因が多くあります。外国人は難しい日本語の言い回しなどを理解できません。

仕事内容、給料、評価基準など重要な事項をしっかりと明記しましょう。

また、外国人の母国語で書類を作成することで、「理解できていなかった」「書いていなかった」というトラブルを避けられます。

③外国人の受入体制を整える

外国人が母国ではない国で働くのは、言語の壁や文化の壁があるため、とても大変です。

日本に馴染めなかったり、各手続きが上手くいかず、トラブルに繋がることもあります。行政手続きや居住手続きなど、本人だけでは難しい手続きは、企業でサポートしてあげましょう。また、外国人が日本文化を知る機会や社員が外国の文化を知る交流会などを設けるのもおすすめです。

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