最近では耳にしたり目にしたりする機会が増えたAIですが、今後はどのような展開を見せていくのでしょうか?今回はAIについて、概要、活用事例、AIが発展した未来で生き抜くポイントを解説します。AI技術の今後が気になる方は、ぜひご一読ください。
AIとは
AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の頭文字を取った言葉で、日本語で「人工知能」を意味します。AIは人間の喋る、考える、行動するなどの知的行動をコンピューターで実現するための技術です。
AIを活用した技術には以下のようなものがあります。
- 翻訳
- 自動運転
- 画像生成
そんなAIについて詳しく見ていきましょう。
AIの仕組み
AIは「機械学習」と「深層学習」という2つの仕組みで成り立っています。
機械学習とは、過去の大量のデータから類似性や規則性を見つけ出す仕組みです。類似性や規則性が分かれば、特定の技術を効率化できます。大量のデータを取り込み、学習を続けることで、より精度が高まるのが特徴です。
深層学習(ディープラーニング)とは機械学習を構成する手法の一つです。ニューラルネットワークと言われる人間の脳の仕組みを参考に作られた数学モデルを用いています。
機械学習では大量のデータを読み込みますが、不要なデータが含まれ出力が上手くいかないケースもあります。そこで機械学習時に、ある特徴を元に出力することで、より精度を高められます。深層学習は、特に画像のような記号化の難しいデータの認識が得意です。
深層学習の例には、2012年に行われたGoogleの研究チームによる研究があります。YouTubeに投稿されたビデオから一千枚の画像を切り出してAIに学習させた結果、「猫」という概念を教えることなく、AIが猫を見分けられるようになりました。
AIは一度でも正解パターンを発見できれば、特徴の見分け方を自ら学習します。
つまり、何度も同じ指示を与える必要がないため、様々な業務を効率化できるのです。
AIの市場規模
日本のAI市場規模は2023年時点で6,858億7,300万円、2028年には2兆5,433億6,200万円まで成長すると予測されています。
国内、国外問わずAI市場の成長は著しく、これからの社会に大きな影響を与えるでしょう。
身近なAI活用事例
身近なAI活用事例を業界ごとに紹介します。
- 医療
- 農業
- 製造業
今後の参考にぜひご一読ください。
医療
医療分野におけるAIの活用事例は以下の通りです。
- AI画像認識
- オンライン問診
- 非接触検温ツール
AIによる画像診断はMRIやレントゲンで活躍しています。
AIに過去の画像を学習させることで、医師よりも高い精度でがんや疾患を発見可能です。
また、AIによるオンライン問診が導入されています。
AIに搭載されたカメラで患者の状況を分析したり、事前問診を行ったりできます。
病院まで足を運べない高齢者にとっては嬉しい技術です。また待ち時間の短縮に効果的です。
さらに、非接触型の検温ツールも登場しています。
手首やおでこをかざすだけで検温できるツールやAIの顔認証技術・赤外線カメラを活用して、前を通るだけで検温できるツールなどもあります。
マスクを外すことなく検温ができるので、感染症対策として有効です。
農業
農業分野におけるAIの活用事例は以下の通りです。
- 土壌分析
- 仕訳ロボット
- ドローンによる農薬散布
AIに温度、湿度、土の状態などを検出・分析させることで、土壌の欠陥や栄養状態が分かります。わざわざ畑に確認しにいかなくても、病害予測をできるのが魅力です。
また、仕訳ロボットも活躍しています。
大きさ、色、曲がり具合などを設定したAIロボットに仕訳をさせることで、農家の負担軽減、人手不足の解消、人件費の削減が期待できます。
さらに、ドローンによる農薬散布では、ドローンで上空から画像を撮影し、病害虫を検出できます。必要な場所に必要な分だけ自動で農薬を散布できるのが魅力です。効率よく農薬散布ができて、人件費も削減できます。
高齢化や後継不足で悩まされる農業分野の救世主になると期待されています。
製造
製造分野におけるAIの活用事例は以下の通りです。
- 画像認識による不良品の検出
- 在庫数の最適化
- ロボットの導入
AIによる画像認識で不良品チェックを無人化できます。
また、不良品チェックだけでなく、工場内の画像を分析することで、人員の最適配置も可能です。
AIカメラで在庫状況をリアルタイムで把握・管理することも可能です。
社内データをAIに読み込ませることで、需要を予測し、在庫不足や在庫過多などを防止できます。
さらに、AIによる高度な画像認識を活用したロボットの導入事例もあります。例えば、野菜をカットしてくれるロボットは、不定形な野菜であっても、画像から正しい位置を特定してカットしてくれます。作業員を減らし、業務を自動化できます。
AI技術の発展で仕事が無くなる?
急速な発展が予想されるAIですが「AIの発展で仕事が無くなる」という話題を耳にしたことはありませんか?
2045年にはAIが人間の知能を超える技術的特異点(シンギュラリティ)を迎えるという「2045年問題」が話題になっています。AIは作業のやり方を一度学習してしまえば、ずっと稼働できます。疲労や精度低下などの心配もないため、労働力としてとても優秀です。また、作業を自動化できるだけでなく、機械学習によりさらに成長します。さらに、新しい考えを生み出すことも可能です。
ファミリーレストランでの配膳ロボットやAIによる受付ロボットなど、現在、様々な仕事がAIによって代替されはじめています。AI技術の発展により、今後はさらに人間の仕事が減っていくでしょう。
AIが発展した未来で生き抜くポイント
「A仕事が無くなる」と言われているAI業界で、どのように生き抜いていけば良いのでしょうか。ポイントを2つ解説します。
新しい働き方・考え方を身につける
AIが発展した未来で生き抜くには、新しい働き方・考え方を身につけましょう。
AIには得意・不得意があります。
例えば、AIが得意なことは以下の通りです。
- 大量のデータ処理
- 単純作業
- データを元にした予測
- 数値処理
逆に以下のことは不得意です。
- 創作
- 人の気持ちに寄り添う
- データにないこと
「AIにできないことは何か」がヒントになります。
例えば、AIが代替できないのは以下のような仕事です。
- 営業
- カウンセラー
- アーティスト
また、AIによって新しい仕事が生まれたり、AIを活用する仕事が増えたりもするでしょう。AIに限らず、時代の変化に合わせた考え方やスキルを身につけることが大切です。
AIを活用できる技術を身につける
AIが発展した未来で生き抜くには、AIを使いこなす必要があります。
「AIに仕事を奪われるのが心配」と考えるのではなく、「どうやってAIを活用していこう」と考えるのが良いでしょう。今のうちからAIに関するリテラシーを身につけておくのがおすすめです。
今回紹介したように、今後はAI技術の急速な発展が予想されます。
AI技術の発展に伴い、AIエンジニアなどAIに長けた人材の確保が求められるでしょう。