日本の外国人労働者が増加する中、異なる文化や価値観を持つ人材がどのように日本の職場に適応し、活躍しているのかは、多くの企業にとって関心の高いテーマです。今回bossjobは、台湾から日本に来て働いているマーケティングスペシャリストの方にお話を伺い、その経験や日本での働き方について詳しくお聞きしました。外国人採用を検討している企業の皆様にとっても、ご参考になれば幸いです。
インタビュー内容
日本で働こうと思ったきっかけは何ですか?
台湾支社から日本支社への社内転勤のチャンスがありました。海外で自分を挑戦したいという思いから、その機会を活かして日本に来る決意をしました。また、台湾は親日的な国で、日本に関する情報に触れる機会が多く、自然と日本の文化に詳しくなりました。さらに、独学で日本語を学びN1を取得していたこともあり、自分のスキルを活かせる絶好のチャンスだと考えました。
現在のお仕事の内容や役割について教えてください。
現職では、人材業界におけるマーケティング業務を担当しています。具体的には、オンライン広告の運用、SNS管理、コンテンツ制作、SEO対策などの業務に加え、製品のローカライズやバグ修正などにも携わっています。求職プラットフォームのユーザー増加を目指し、幅広い業務を手がけています。
日本の職場文化や働き方について、どのような印象を持ちましたか?
日本の職場に対しては、ネットで観ていた日本のドラマの影響もあって、「残業が多い」「退勤後に飲み会がある」「会議が非常に多い」というイメージを持っていました。そして、上下関係が厳しく、階級社会の中でサバイバルをしているような印象もありました。
しかし、現在の職場ではこれらの懸念はほとんどありませんでした。海外にも拠点があるグローバルな企業のため、多文化共生の環境が整っていることが大きいと思います。
母国と比べて、日本での仕事で最も違うと感じた点は何ですか?
台湾と比べて最も違いを感じたのは、「報連相」の文化です。台湾では上司が部下に頻繁に進捗を確認したりすることを求めることはあまりありません。むしろ部下には一定の自主性があり、独自の判断で仕事を進めることが一般的です。そのため、日本の「逐一報告する」というスタイルには最初戸惑いを感じましたが、今ではそれが日本の仕事の進め方だと理解しています。
日本で働き始めた際に、困難だと感じたことや戸惑ったことはありますか?
初めて日本で働き始めたとき、最も戸惑ったのは「業務報告」の文化でした。日本では、細かな進捗や状況を上司に逐一報告することが重視されますが、台湾ではある程度の裁量で仕事を進めることが一般的だったため、この違いに最初は慣れるのに苦労しました。また、日本特有のビジネスマナー、特に名刺交換の仕方やメールの書き方についても初めは戸惑いました。例えばメールはどこで改行しなければなりませんとか、独自なビジネス用語とが、気を使うべきことがいろいろありました。
これらは少しずつ学んでいきましたが、最初の数週間は「これで合っているのだろうか」と不安を感じることが多かったです。
逆に、日本で働いていて良かったと思う点や魅力的だと感じる点は何ですか?
日本の職場で働いていて良かったと感じるのは、チームワークが非常に重視されている点です。プロジェクトにおいて、全員が同じ目標に向かって協力し合う姿勢は、日本独特の魅力だと感じます。また、細部へのこだわりや丁寧さも、日々の業務から学べる重要なポイントです。さらに、仕事が終わった後の同僚との飲み会やイベントを通じて、職場の人間関係が深まることも魅力的だと感じました。これらの体験を通じて、日本ならではの職場文化の良さを実感しています。
日本語やコミュニケーション面での課題はありましたか?それをどのように克服しましたか?
日本語と中国語には似た発音の言葉がありますが、意味が全く異なる場合があり、そこに苦労しました。たとえば、台湾では「蛤?(ハ)」という発語詞は特に意味を持たない言葉で、「えっ」に近いニュアンスです。しかし、日本では「は?」という発音は非常に攻撃的な表現であるため、職場では使用しないように意識する必要がありました。また、台湾では「嗯(ウン)」を肯定の意味で使うことが多いのですが、日本で、「うん」はカジュアルすぎると捉えられることもあり、注意が必要でした。
私は最初は全く気づかず、もしかしたら裏で誰かが指摘していたのかもしれません。しかし、幸いにも同僚から直接アドバイスを受け、それ以降は気をつけるようにしまして、大きなトラブルにはならずに済みました。
日本での仕事とプライベートのバランスについて、どのように感じていますか?
日本では働き方改革が進んでいる影響もあり、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなっています。有給休暇も比較的取得しやすく、休日に趣味やリフレッシュの時間をしっかり確保できています。
個人的に最もありがたいと感じるのは、勤務時間外にほとんどメッセージが来ないという点で、他人のプライベートを尊重する環境がしっかり整っていることを実感しています。
外国人として日本で働く中で、職場や同僚からどのようなサポートを受けていますか?
同僚は私が部屋を借りたり家電を購入したりする際に、大変助けてくれました。外国人対応の経験が豊富な不動産仲介業者を紹介してくれただけでなく、低価格で新しい家電を購入する手助けもしてくれました。
さらに、銀行口座の開設やマイナンバーカードの申請といった必須手続きの際にも、同僚たちが多くのアドバイスやサポートをしてくれました。そのおかげで、ネットでよく見かける「手続きの煩雑さ」に苦労することもなく、スムーズに進めることができました。
今後も日本で働き続けたいと考えていますか?将来の目標やキャリアプランを教えてください。
少なくとも今後5年間は日本で働き続けたいと考えています。この間に、日本ならではの仕事の進め方や文化をしっかり学び、スキルアップを目指したいです。しかし、長期的には、より自由な働き方や高い報酬を求めて、別の国や地域でキャリアを築くことも視野に入れています。日本で得た経験を活かして、次のステップに挑戦したいと思っています。
まとめ
今回のインタビューを通じて、日本の外国人労働者の視点から、日本の職場文化や働き方に関する貴重な洞察を得ることができました。彼らが異なる文化や価値観を持ちながらも、日本の職場に適応し、活躍している姿は、外国人材が日本の企業にとってどれほど大きな可能性を秘めているかを実感させられます。また、外国人材を採用することで、従来の働き方や視点を見直す機会にもなり、企業の成長や競争力の向上につながることが期待されます。
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